店舗での展示状況
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- 店頭展示なし
10年程前に同デザイナー(ピエール・ポラン)のデスクCM141(現TANIS)がリバイバルされ、そのデスクにとても合うこのチェアCM131も復刻版として2018年に発表されました。
ビーチ材の積層合板で作られた背と座の型は、デザインされた1953年当時の製造機器をそのまま使って現在も作られています。
ビーチ積層合板の薄さや、木を曲げた時に生まれる折り皺はとても印象的です。ピーチ材の温もりと人間工学に基づいたフィット感のあるかけ心地です。脚はブラックの細いスチール脚になります。
※国内在庫がない場合はお取り寄せなります。
※肘付きタイプは基本、お取り寄せとなるため、受注後5か月程度かかります。
サイズ
肘付き:幅54cm×奥行55cm×高さ80cm(座面高46cm)
肘なし:幅40cm×奥行49cm×高さ80cm(座面高45cm)
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詳細スペック
本体:ビーチ積層合板
肘:ビーチ無垢
カラー:脚:ブラック
本体・肘カラー:ダークブラウン
原産国:フランス
重量:肘付き=約6㎏ 肘なし=約5.1㎏
ブランド名 |
リーン・ロゼ |
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商品番号 |
3083CHA000004 |
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KAGUHAスタッフ Mより (2020.05.31)
1819年ミヒャエル・トーネットによって設立されたドイツのトーネット社から発売されたCM131。トーネット社は曲木技術を完成させ、世界で初めて曲木家具の大量生産に成功したメーカーです。CM131チェアは、デザイナーのピエール・ポランが生前のインタビューで「自ら営業を行ったのは後にも先にもこの1回だけ」と語っているCM141デスクと同時に発表された1953年のコレクションで、約10年間という短い期間のみの製造で長年廃番となってしまっていましたが、ポラン自らがデザインを持ち込み製品化を実現したものであった為、愛着は非常に深かったそう。
2008年にはポラン生前最後の監修作(2009年没)としてCM141がリーン・ロゼより「タニス」(TANIS)というネーミングで最新素材を使って復刻されており、これは2003年にメトロクス社からF031という名前でCM141が復刻されたのにも関わらず、リーン・ロゼから再度復刻されたことからもわかる通り、従来の製品(リプロダクト等を含む)はデザイナーの満足いく出来栄えでなかったことが伺えます。デスクに引き続きチェアの復刻はファン待望のビッグニュースとして2018年のミラノサローネで話題を独占します。
さてこのCM131は、ポランの図面に記載があったトーネット時代に製造を行っていた東ドイツの工場に、当時使用していたプレス機と金型が奇跡的に残っていたため、50年以上の時を経て完璧な復刻と言える素晴らしい出来栄えを実現します。もしデザイナーが生きていたら必ず納得するものだと言えるのではないでしょうか。
華やかな1950年代を中心とするミッドセンチュリー家具は、戦時中に軍需産業が生み出した新しい技術を大きく取り入れており、チャールズ&レイ・イームズはFRP(ガラス繊維強化プラスチック)に着目し、シェルチェアを1948年にニューヨーク近代美術館の「ローコスト家具デザイン国際コンペティション」に出品します。CM131はプライウッドと呼ばれる成型積層合板が使われており、同様に高い存在感を示しました。その他に曲木技術を使われた家具の代表作としては、同じくイームズ夫妻のプライムウッドチェア(1946年/ハーマン・ミラー)や柳宗理のバタフライスツール(1956年/天童木工)があり、CM131はアリンコチェアの異名を持つ世界初の背座一体チェアとしても有名なアルネ・ヤコブセンによるアントチェア(1952年/フリッツ・ハンセン)の翌年にデビューしました。
薄さ約5mmのピーチ材の積層合板をプレス機によって三次元的に曲げることで成型しており、人間工学に基づいたフィット感のあるかけ心地のために生じる木を曲げた際の折り皺はひとつひとつ異なるため美しく有機的で、ビーチ(ブナ)の素材感はYチェアでのすっきりとした素朴な見え方とは異なり、温かみと深さを感じるシックな雰囲気。当時としては最先端の効率を重視した製造方法も、直線を基調とした合理的かつシンプルなデザインで、大量生産の時代を予感させる工芸品から工業品への揺らぎがあり、前述の折り皺もそうですが、座面に見える金具はおしりを避けるように配置されている意匠などからもバウハウスの影響を伺えます。
CM141デスクはオフィス用ではなく、個人が使うためのものとしてデザインされていた経緯から「プチビューロ(小さめのデスク)」とも呼ばれており、CM131も同様にヨーロッパの平均的なサイズよりもコンパクトに設計されているため、私たちアジア人が使うのにも丁度よい大きさ。すっきりとしたデザインは圧迫感がなく、オフィス用チェアというよりはダイニングチェアとして使うほうがしっくり来るかもしれません。
年々、ミッドセンチュリー時代のヴィンテージ家具は高騰しており(CM131もオリジナルは一脚700ドルから1200ドル程度で取引されているようです)2014年には再度イームズのシェルチェアがFRPによって復刻されるなど益々注目を集めていますが、その中でもCM131は間違いなく最も完璧に近い復刻であり、華奢でスリムなデザインはインテリアコーディネートもおこないやすく、黒く塗装されたメタルレッグは今も尚モダンな印象を与えます。
かのレオナルド・ダ・ヴィンチは「簡潔さは究極の洗練である」であると言いましたが、半世紀を経て時の洗礼を受け復活したのには理由があります。是非、ミニマリズムの境地をご検討ください。
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